大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(あ)5855 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人和島岩吉の上告趣意第一点について。

論旨援用の判例は、「本人に損害を加えたる場合においても」「若しその目的に

して本人の利益を図るに在りとすれば」背任罪は成立しないというのである。しか

るに原判決は、被告人の「所論保証はその主要な目的が直接本人たるA銀行のため

ではなくして(A銀行の利益をも無視したものではないとしても)同被告人自己の

責任である不当貸付の免責を図るがため」であつたという事実を認めて、これを有

罪としたのであるから、前記判例に反するところは少しもない。論旨は理由がない。

同第二点について。論旨援用の各判例はいずれも、受任者が委任者に対して財産上

の実害を与えた場合の判例であるから、本件に適切でない。論旨は理由がない。ま

た記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。よつて同四〇

八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二九年三月三〇日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

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